ワープロが普及する前のタイプライター文字は、それぞれの幅が均一であり、アルファベットの N も M も文字幅としては同じでした。等幅フォントということであり、今でもパソコンに大体入っている Courier という書体がその代表格ですが、こうした書体の場合、センテンスの最後のピリオドのあとのスペースが一個だとわかりにくいので、慣行上、空白スペースは2個と決まっていました。
しかし、その後、パソコンの普及に伴い、可変ピッチフォントと訳されるプロポーショナルフォントが使われるようになります。これは、われわれのような素人でも、N と M とで字の幅が違うように表示され、従って、印刷物レベルの印刷を自分でもできるようになったことを意味します。つまりピリオドのあとの空白は、技術的に適正なスペースを取るように自動調整されているので、そこに敢えて余計なスペースを入れると却って不自然になってしまうことを意味します。
こうした時代の変化に応じて、今では、 The Chicago Manual of Style、the AP Stylebook 、MLA (Modern Language Association) Handbook といった有名なスタイルガイドはいずれも、ピリオドのあとのスペースはシングルスペースと明言しています。社会科学系投稿規定の拠り所とされることの多い、APA のハンドブックが唯一、ダブルスペースもいいよと言っていますが、それは原稿が読みやすくなるという理由からで、公刊される資料についてはシングルスペースとしています。
一方、ダブルスペースは良くないよという理由としては、第一に、各センテンス末で余計なキーストロークが必要になり、効率が悪い、第二に、余分なスペースを入れてツースペースにすると読みやすくなるという証拠がない、第三に、電子化された情報においてツースペースはワンスペースと比べてコントロールしにくいといったことが挙げられています。
してみると、ピリオドのあとはダブルスペースと頑張る方々には申し訳ないのですが、やはり普及の度合いから見て、シングルスペース派が圧倒的多数派というのが現状だと思います。何と言っても、タイピングの時、スペースバーを二度打つより1回の方が効率的です。
もちろん、だからと言って、ダブルスペースだと間違いだというものでもないでしょう。自分なりのロマンを追っている方々にとやかく言う必要はありません。しかし、そういう方々も、書かれた英文が公刊物になるとなれば、別問題で、強制的にシングルスペースにされてしまいます。
ふと、わが国の英語の教科書はどうだっけと思ったものの、知らない方がよさそうなので、考えないことにします。ま、十中八九ダブルスペースなんでしょうねえ・・・