February 25th, 2012

ワープロが普及する前のタイプライター文字は、それぞれの幅が均一であり、アルファベットの N も M も文字幅としては同じでした。等幅フォントということであり、今でもパソコンに大体入っている Courier という書体がその代表格ですが、こうした書体の場合、センテンスの最後のピリオドのあとのスペースが一個だとわかりにくいので、慣行上、空白スペースは2個と決まっていました。

しかし、その後、パソコンの普及に伴い、可変ピッチフォントと訳されるプロポーショナルフォントが使われるようになります。これは、われわれのような素人でも、N と M とで字の幅が違うように表示され、従って、印刷物レベルの印刷を自分でもできるようになったことを意味します。つまりピリオドのあとの空白は、技術的に適正なスペースを取るように自動調整されているので、そこに敢えて余計なスペースを入れると却って不自然になってしまうことを意味します。

こうした時代の変化に応じて、今では、 The Chicago Manual of Style、the AP Stylebook 、MLA (Modern Language Association) Handbook といった有名なスタイルガイドはいずれも、ピリオドのあとのスペースはシングルスペースと明言しています。社会科学系投稿規定の拠り所とされることの多い、APA のハンドブックが唯一、ダブルスペースもいいよと言っていますが、それは原稿が読みやすくなるという理由からで、公刊される資料についてはシングルスペースとしています。

一方、ダブルスペースは良くないよという理由としては、第一に、各センテンス末で余計なキーストロークが必要になり、効率が悪い、第二に、余分なスペースを入れてツースペースにすると読みやすくなるという証拠がない、第三に、電子化された情報においてツースペースはワンスペースと比べてコントロールしにくいといったことが挙げられています。

してみると、ピリオドのあとはダブルスペースと頑張る方々には申し訳ないのですが、やはり普及の度合いから見て、シングルスペース派が圧倒的多数派というのが現状だと思います。何と言っても、タイピングの時、スペースバーを二度打つより1回の方が効率的です。

もちろん、だからと言って、ダブルスペースだと間違いだというものでもないでしょう。自分なりのロマンを追っている方々にとやかく言う必要はありません。しかし、そういう方々も、書かれた英文が公刊物になるとなれば、別問題で、強制的にシングルスペースにされてしまいます。

ふと、わが国の英語の教科書はどうだっけと思ったものの、知らない方がよさそうなので、考えないことにします。ま、十中八九ダブルスペースなんでしょうねえ・・・

January 26th, 2012

ビジネス・ミーティングのコーパスを見ると、you, I, she, he より、we の使用頻度の高いのです。一般の会話コーパスとの対比では、ビジネス・ミーティングのコーパスでの we の使用頻度は2倍です。

他面、こういった場面での you, I, she, he の使用頻度は一般会話より少なくなっています。

実際、ビジネス英会話のコーパス (CANBEC) 上、一般会話のデータと比べて突出して多いキーワードのベスト5中、三つが we, we’ve, we’re という we 含みの言葉で占められているぐらいです。

他のyouやIと比べてweの使用が目立って多いのは、you を使うより we の方が響きが穏やかであること、Iを使うよりweを使った方が「自分が、自分が」ではなく、「ご一緒に」的な協力関係を強調できるからだと解されています。

いずれにしろ、ここからわかるのは、もっぱら仕事の手段としての業務トークというより、仕事上の人間関係を顧慮しての気配りトークでは、人称代名詞という一見簡単に見える文法事項にも人間味のある使い分けが見られることです。

September 2nd, 2010
政治家が基本2000単語レベルでスピーチをし、人々を感心させていることを思えば、大学受験レベルの難語を一生懸命おぼえるより、基礎単語を自在に使うよう練習する方が報われるはずです。
January 17th, 2010
例えば、日本語の会話では、沈黙は、いちいち口に出さなくても互いにわかりあえるといったハイコンテクスト文化であることも手伝って、ごく自然な現象ですし、人によっては相手との間合いを取るために、意識して使う人もいます。しかし、英語文化の中では、沈黙はコミュニケーションの破綻を意味し、避けるべきものとされます。言い換えれば、コミュニケーションのためのスキーマにおいて、沈黙は日本語の世界では一つの要素としてカウントできるのに、英語の世界では異物であり、迷惑な存在です。
そもそもひとくちに「英語を話す」と言っても、製品の説明、プレゼン、スピーチ、それに予め言いたいことを準備しておくタイプのディベートなどは、聞き手こそいるものの、そういった相手との臨機応変のインタラクションを要しないという特殊性があります。ですから、プレゼンは上手だけれど、その後のパーティーで話しかけられるとお手上げという人を指して「英語が話せる」とは言わないことからも、このあたりを曖昧にしておくとまずいとわかるはずです。
December 11th, 2009
一般に英会話は、文法がわかっており、単語やフレーズの知識があればこなせると誤解されているのに対して、そうではなく、英会話は、相手との「掛け合い」の中での独特の手順ないし枠組みの上に成り立っているものであり、そういった枠組みを理解した上で、要所要所で接続表現を中心とする決まった言い回しを使っていって、初めて筋道の通った話ができるんですよ、ということを説明していくつもりです。言葉を換えて言うと、いくらフレーズ集を暗記してもそれで英会話ができるようになるものでもないということでもあります。
November 8th, 2009
そもそも「ネイティブスピーカー」とひとくちに言っても、人によって自国語に関する知識の量も違えば、それを使いこなす力も違うわけで、これはわれわれ日本人のことを考えれば自明の理です。同じネイティブでも常用漢字をきちんと書けなかったり、ことわざを間違えておぼえていたりするわけで、何をもって教養のあるネイティブスピーカーとするのかなど、誰にもわかりません。当然、言語テストの研究者の間でも、「ネイティブスピーカー」と言っても一義的なものではないというのは、周知の事実として受け入れられています。
September 20th, 2009
英語を熱心に勉強する人はどうかすると単語と文法にばかり目を向けますが、英語は使うものという意識が希薄で、知識としての英語をおぼえればいいんだというスタンスの人、つまり、状況を考えずに覚えたことばを使う人は実社会の困り者です。
BARBER: There, you look like a human being again. You shouldn’t wait so long between haircuts, you cheap bastard.
WALT: I’m just amazed that you’re still alive. I keep hoping you’ll die and they’ll get someone good in here, but you just hang in there, you dumb, Italian-Wop-Dago, you.
BARBER: That’ll be ten dollars, Walt.
WALT: Ten dollars? Jesus Christ, Martin, you keep raising the price. You sure you’re not part Jew? [Martin the Barber laughs at Walt]
BARBER: It’s been ten bucks for the last five years and you know it, you thick-skulled, old Pollack son of a bitch.
WALT: Here’s ten, keep the change.
BARBER: See you in three weeks, you prick.
WALT: If you live that long, dipshit.
July 28th, 2009